主に我が国の貿易や海外で活躍する日本企業を支援している公的団体である「独立行政法人日本貿易振興機構（以下、ジェトロ）」様。

以前、当センターではジェトロ様のサービス「外国人材活躍支援パッケージ」についてお話をお伺いし、その内容をご紹介しました。今回は、当センターが認定する外国人雇用支援の専門資格「外国人雇用管理主任者」を取得された方々に対し、ご自身の支援内容などについてお伺いしました。

＜林 様＞

ジェトロの「高度外国人材活躍推進コーディネーター」として、外国人を雇用したい企業様の採用から育成、定着までの一貫した支援を行っています。支援サービス名称は「外国人材活躍支援パッケージ」であり、年間約300社様程度が利用されています。当パッケージでは企業様との密なコミュニケーションを大切にしており、ジェトロとの二人三脚で外国人雇用を成功に導くべく、サポートを行っています。

＜ユ 様＞

外国人材に対し、日本での就職に関するプロモーションを行っています。外国人採用においては、国内の留学生の獲得だけではなく、海外からの人材呼び込みも大切です。そのために、「日本に就職することの魅力」を伝えているのです。例えば、ポータルサイトにて日本で就職した方のインタビュー動画を配信したり、就職者同士の座談会を開催したりしています。

＜ユ 様＞

まだまだキャリアのない新卒者にとって、日本は就職がしやすいようです。例えばアメリカなどは、キャリア重視で採用をするため、新卒者はどうしても不利になってしまうのです。一方、日本では「新人を育てる」という組織風土があるため、特に外国人にとっては入社してからも働きやすいといえるのではないでしょうか。このようなことに加え、日本政府の留学生受入に積極的な政策もあり、円安トレンドであっても、当面は日本企業で働きたい外国人材は増えると予想されています。

＜服部 様＞

留学生の中には、留学先の学校のあった地域に対する「地元愛」がある方もいらっしゃいます。「働く場所もこの土地が良い」と。しかし、地方の企業では、求人ニーズがあったとしても、外国人採用の方法や学生との出会い方を知らない会社も多いようです。働きたい学生がいて、雇いたい企業があるのに、出会わないのはもったいない。両者のニーズを満たすイベントとして、ジェトロではオンラインを活用した合同企業説明会を行っています。これは全国の企業と全国の外国人就労希望者がオンラインで出会うことのできる場です。なお、先に開催された2023年秋のイベントでは、約150社の企業・団体が出展し、約2,700名の外国人学生が参加しました。

＜林 様＞

企業としては、せっかく入社してくれた外国人社員にはできるだけ長く働いてもらいたいと思いますが、それには会社や職場に馴染めるかどうかがポイントだと思います。といいますのも、上司や同僚とうまくやれず、孤立してしまって退職するというケースが多いからです。周りの日本人社員のできることとしては、積極的にコミュニケーションをとることです。もちろん業務に関するコミュニケーションについても、気を配る必要があります。例えば、曖昧な指示を出したりしない。明確に、5W1Hで業務を依頼することが重要です。加えて、キャリアパスを示してあげることも必要です。それが、外国人社員の大きなモチベーションになるのですから。

＜ユ 様＞

私自身が外国人ということで、ビザや在留資格などには普段から当事者意識を持っていたのですが、その詳細な仕組みまでは理解できていませんでした。資格取得をきっかけに、これについてあらためてしっかりと学ぶことができたのが良かったです。

＜林 様＞

先にお話しましたように、私は企業の採用戦略を立てるところから育成定着までのプロセスを支援しているのですが、その一連の流れについて包括的に学習させてもらったことが身になりました。支援先に対するアドバイスなどにも、役立っています。

＜ユ 様＞

「外国人社員は離職しやすい」という偏見を変えていきたいです。そのために、引き続き「外国人社員定着のポイント」について情報発信をしていきたいですね。

＜林 様＞

日本の地方には、素晴らしい技術を持った会社ややる気のある温かい経営者がたくさん存在しています。そういった会社に日本で働きたい優秀な外国人材の方に入っていただいて、企業と人材が共に成長していく姿にできるだけ多く接していければと思います。