県内の外国人労働者の状況
本県の外国人労働者数は前年比783人増の5,293人となっており、事業所数も前年比9.9%増となるなど、増加傾向が続いています。国籍別では、ベトナム、インドネシア、フィリピンの順になっており、インドネシアが大きく増えています。また在留資格別では、技能実習生が最も多く、次いで特定技能が前年の682人から約250人増の935人となっております。産業別では、農業が最も多く、次いで製造業、卸売・小売業となっています。また、外国人材の受入れの取り組みについて、令和9年度末に技能実習生と特定技能外国人の数を4,000人以上受入れることを目標とする中、令和6年10月末時点での実績は3,762人となっており、間もなく目標を達成する見込みです。
受入れから定着までを支える包括的支援策<支援内容について>
本県では、令和6年に「第2期高知県外国人材受入・活躍推進プラン」を策定し、外国人材の受入れと、定着に向けた取組を進めています。①受入促進の取組
本県は、ベトナム(ラムドン省)やインド(タミル・ナド州)と、人材の送り出しと受入れに関する覚書(MOU)を締結し、受入れを進めているところです。また、東ティモールからは、日本初となる技能実習生を令和5年に受入れ、継続的な受入れが進められています。加えて、県内事業者への支援として、外国人労働者の受入れに関する説明会を開催し、県内事業者が外国人労働者を雇用できるようサポートしています。さらに、令和7年4月には新たに外国人材を雇用しようとする事業者等のための相談窓口として「高知県外国人材雇用相談窓口(愛称:ふぉれこ)」を新たに設置しました。
②定着促進の取組
外国人材が『暮らしやすい』『働きやすい』『学びやすい』環境作りに向けた取組を強化し、本県で働く外国人材の満足度を向上させることで、本県への定着を図っています。・多文化共生社会の推進
多文化共生社会への理解促進や交流イベント等の開催の支援を行っています。・就労環境の整備
技能実習生の住居を改修する事業者に対する支援のほか、社内マニュアルや標識類の多言語化等への支援を行っています。・スキルアップへの支援
技能やビジネスのスキルアップに取り組む事業者に対する支援や、eラーニングを活用したオンデマンドによる日本語学習支援を行っています。③受入促進と定着促進に共通する取組
外国人材の受入れに関して優良な取り組みをしている事業者を県が認証する、「こうち外国人材優良サポート事業者認証制度」創設しました。外国人材の受入れに関して積極的な取り組みを行う事業者を認証するとともに、その取り組みを情報発信することで、本県への外国人材の受入れ・定着促進を図ります。認証制度を活用した外国人材定着の取組み
本県を含めた地方都市にとって、外国人材の受入れと定着は非常に大きな課題です。特に地方都市は都市部に比べて賃金水準が低く、新たな育成就労制度においては外国人本人の意向による転籍が認められるため、賃金以外での魅力づくりが重要となります。地域全体での受入れ体制の整備や、働きやすい環境づくり、生活のしやすさ、安心して相談できる体制、文化的な違いへの配慮など、外国人材に定着してもらえるような環境整備が必要です。そのような観点からも、先述の認証制度を通じて、外国人材の満足度や安心感を高め、地域に定着してもらうことを目指しています。今後もこのような取り組みを通じて、賃金では測れない価値を提供し、優秀な人材に「ここで働きたい」と思ってもらえる地域づくりを進めていきたいと考えています。